被合併法人等から引き継ぎを受ける未処理欠損金に係る制限等の適用の有無について、支配関係が複数ある場合における支配関係の継続要件を教えてください。
被合併法人等から引き継ぎを受ける未処理欠損金に係る制限等について、支配関係が複数ある場合、適格組織再編成等の日の属する事業年度開始日からさかのぼって5年前の日から継続して支配関係があるときには適用されません。
平成22年度税制改正により支配関係の継続要件が整備され、被合併法人等から引き継ぎを受ける未処理欠損金に係る制限や合併法人等の繰越青色欠損金額に係る制限及び特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入について、支配関係が複数ある場合、適格組織再編成等の日の属する事業年度開始日からさかのぼって5年前の日から継続して支配関係があるときには適用されないこととなりました(法人税法第57条第3項・同条第4項・第62条の7第1項・同条第3項)。
例えば、A社(不動産管理業)が、X社(卸売業)とY社(小売業)を子会社に持つB社を2年前に吸収合併し、このたび、X社とY社を合併することにしたというケースについて考えてみます。X社とY社は、10年前からB社の子会社でした。
平成22年度税制改正前は、特定資本関係に異動のあった、A社がB社を吸収合併した時点が、もし当該事業年度開始日の5年前の日以後であるなら、繰越欠損金の引き継ぎの制限等が適用されていました。
しかし、このケースにおけるX社とY社のように、適格組織再編成等の日の属する事業年度開始日の5年前の日から継続して支配関係があるときには、制限措置が適用されないこととなったといえます。