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分割型分割は、みなし配当が生じる要因となり得ますか?

 

法人が行う組織再編により、税務上、その株主にみなし配当が生じる場合があります。みなし配当が生じる要因となり得る取引には、合併や分割だけでなく、自己株式の買取りも該当します。

合併や分割のみならず、自己株式の買取りも、みなし配当が生じる要因となり得ます。平成22年度税制改正において、グループ法人税制及び資本に関係する取引等に係る税制の見直しがなされ、このようなみなし配当が生じる取引に関して改正がありました。すなわち、100%資本関係のある法人間での自己株式の買取り・自己株式取得予定株式・非適格合併に当たっての抱合株式の取り扱い等に関する改正がなされました。
みなし配当は、会社法上の配当には該当しないものの、税務上は配当とみなされるものです。みなし配当が認識される取引については、次の通りです。
法人の株主等である内国法人が、次の事由により金銭その他の資産の交付を受けた場合において、その金銭の額及び金銭以外の資産価額の合計額が、当該法人の資産の額又は連結資本金等の額のうちその交付の基因となった当該法人の株式又は出資に対応する部分の金額を超えるときは、その超える部分の金額はみなし配当とされます(法人税法第24条第1項)。
・合併(適格合併を除きます)
・分割型分割(適格分割型分割を除きます)
・資本の払い戻し又は解散による残余財産の分配
・自己の株式又は出資の取得(金融商品取引所の開設する市場における購入による取得等を除きます)
・出資の消却、出資の払い戻し、社員その他の法人出資者の退社又は脱退による持分の払い戻しその他株式又は出資をその発行した法人が取得することなく消滅させること。
・組織変更(当該組織変更に際して当該組織変更をした法人の株式又は出資以外の資産を交付したものに限ります)
これらの事由が生じたことによって株主が受け取る金銭や株式等の資産のうちに、株式等を発行する法人の利益積立金額から成る部分があると考えられますので、これらの事由の発生の際、株主は税務上みなし配当を認識することとなります。例えば、非適格分割型分割に当たって株主に分割承継法人株式が交付された場合には、その払戻金額等のうち資本金等の額を超える部分、つまり法人税法上の利益積立金額から成る部分が、実質的な利益の分配(みなし配当)として取り扱われます。
一方、組織再編のうち、適格合併や適格分割型分割によっては、みなし配当は生じません。なぜなら、適格合併や適格分割型分割については、被合併法人又は分割法人の利益積立金額が合併法人又は分割承継法人に引き継がれることにより、被合併法人又は分割法人の株主等に交付される、合併法人又は分割承継法人の新株には、被合併法人又は分割法人の利益積立金額から成る部分がないと考えることとなるからです。

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